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中国から麺の作り方を伝えたと言われるマルコ・ポーロは13 世紀の人だが、パスタはそれ以前にすでに存在していた、という説がイタリアでは主流だ。長い歴史の中で、北はアルプスの山々から南は地中海に浮かぶ島まで、その土地でその季節に一番美味しい食材を使ってパスタは作られてきた。

魚介のパスタ

イタリアの夏はバカンスシーズンだ。都会からは人がいなくなり、商店やレストランも閉まってしまう。人々が向かう先は、海、山、郊外など、とにかく都会でない場所。特に人気なのは、何と言っても海だ。だから多くのイタリア人にとって、海辺のレストランで冷えた白ワインを飲みながら食べる魚介のパスタは、夏のイメージと強く結び付いている。ムール貝のマルタリアーティ、ウニのタリオリーニ、スカンピのタリアテッレ… 。海の幸とパスタは、夏の最強の組み合わせだ。イタリアでは、夏に旬を迎える魚は、イワシ、メカジキ、ヒメジ、タイ、スズキなどがある。どの魚も一年中出回っているが、例えば、シチリアとカラブリアの間のメッシーナ海峡のメカジキは、5 月から8 月の間しか市場に出ない。この海峡には、魚と人が一対一で戦う勇壮なメカジキ漁の伝統が残っていて、夏の間は漁を見物しようとバカンス客も大勢訪れる。魚介をパスタのソースにする時は、“ ヒメジのラグー”、“ スカンピのラグー” など、ラグーにすることが多い。特に赤い色が美しいヒメジは、レストランの夏のパスタによく使われる。魚のラグーには、にんにく、香味野菜、ワイン、アラから取った出汁の風味が凝縮されていて、デリケートなのに強い旨みがある。前菜より重く、メインより軽いプリーモ・ピアットにはぴったりのソースだ。

野菜のパスタ

夏が旬の野菜には、トマト、なす、ピーマン、ズッキーニなど、イタリア料理に欠かせないものがたくさんある。さらにこれに、オリーブ、アンチョビー、ケッパー、ドライトマトなどが加われば、“ 地中海風” パスタになる。シチリアの名物料理カポナータには、なす、トマト、オリーブ、ケッパーなど、夏と地中海の食材がたっぷり使われている。普通、カポナータは室温で前菜として食べるが、これを生パスタと組み合わせるシェフも多い。火を使わない料理も夏向きと言うことができる。火を使わないパスタソースの代表は、バジリコで作るペースト・ジェノヴェーゼだ。実はジェノヴァは、イタリアでは最も古くからパスタに縁がある街だった。マルコ・ポーロ以前にすでにイタリアにパスタがあったと書いたが、その根拠となる文書はジェノヴァで記されている。13 世紀には、パスタの原料の小麦の取引では、地中海の中心的な市場でもあった。様々な形のパスタが作り出され、形ごとに専門の職人がいたほどだ。ペースト・ジェノヴェーゼは、鮮やかな緑色が特徴だが、バジリコは金属と熱に弱いので、冷たい大理石の乳鉢と、表面がつるつるの木のすりこぎで、ゆっくりとすり潰すのが伝統的な作り方。昔はジェノヴァのどの家庭にも乳鉢があったという。

北イタリアを代表するスタンダードな手打ちパスタ、タリアテッレ。夏は海の幸、ムール貝の旨味がたっぷりの一品。パスタに モチモチとしたコシがあるため、魚介のエキスが入ったソースで軽く煮込むと、さらにジューシーな味わいになります。キタッラは、イタリア中部、アブルッツォ州の名物で硬質小麦粉の手打ちロングパスタの代表。シチリアの名物料理カポナータを生パスタとを組み合わせて使うと、彩りも華やかな夏野菜が鮮やかで美しく、キタッラの黄色に良く映えます。

イタリアで生まれた生パスタは各地方、各家庭に伝統的に伝わる手作りの『マンマ』の味。さまざまな料理が生まれており、まさにお店の個性を生かすのにぴったり。新たなメニュー作りに「MA・MA Pasta Fresca」をぜひお役立てください。

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