日清製粉グループ 日清フーズ株式会社
お問い合わせ
生パスタのスタンダード
生パスタのおいしさを伝える

生パスタ は軟質小麦粉、または硬質小麦粉を原料としている。イタリアでは、 中部から北部では軟質小麦、中部から南部では硬質小麦の栽培が広まった。 硬質小麦粉は水を加えてこねれば麺にすることができるが、グルテンの少ない軟質小麦粉を生地にするには卵を加える必要がある。 そのため、軟質小麦の栽培が普及した北イタリアでは、卵入りの 生パスタ が主流となった。卵入りパスタの文化がイタリアで最も華やかに開花したのはボローニャだ。 タリアテッレ はこの街の名物パスタの一つとして知られている。最もスタンダードな手打ちパスタ、 タリアテッレ は、イタリア語で「切る」という意味の tagliare(タリアーレ) が語源で、 シンプルで普遍的なこのパスタの姿がずばりと表現されている。ボローニャで タリアテッレ にかけるソースと言えば、ラグー・アッラ・ボロニェーゼ、つまりミートソースが定番だ。 日本もそうだが、イタリア以外の国では、ラグー・アッラ・ボロニェーゼはスパゲッティにかけるソースとして定着している。 おそらくボローニャの人たちは、ふるさとの名前のついたソースが世界中に広まっていることに誇りを感じているだろうが、 それが乾麺のスパゲッティにかかっていることについては、少々複雑なものがあるに違いない。軟質小麦粉の タリアテッレ に対して、硬質小麦粉の手打ちロングパスタを代表するのがキタッラ だ。このパスタはイタリア中部、アブルッツォ州の名物で、ギターの弦の様なステンレスの糸を張った道具、“ キタッラ”で麺をカットする。 正確には、“ マッケローニ・アッラ・キタッラ” と呼ばれ、伝統的な定番ソースはじっくり煮込んだ子羊のラグーだ。実は キタッラ は、19世紀にドイツでステンレスの糸が発明された後に生まれた道具だということはあまり知られていない。 ある“ ふるい”メーカーが考え出したもので、最初は“カッラトーレ” という商品名で呼ばれていた。 フランス語で「正方形にする」という意味の“ carrer ” が語源で、この道具を使うと麺の断面が正方形になる、という意味があった。“ キタッラ” という呼び方が定着したのは20世紀に入ってからのことだ。

クレアパッソ 主宰  木村 祐子

下方画像

(C)2007 Nisshin Flour Milling INC. All Rights Reserved.